当サイトはアフィリエイト広告を利用しています
当サイトの記事内で紹介している商品・サービスには、アフィリエイトプログラムによる収益が発生するものが含まれます。商品・サービスの内容や紹介順については、収益の有無に関わらず、当サイトが独自の基準で決定しています。
「親は深刻、子供はけろっとしている」親は何をすればいいのか
勉強しているとは言うんだけど、全然焦ってないみたいで…私の方がよっぽど心配してる気がします
以前の記事で、大学受験生の「やる気がなさそうに見える」問題について触れました。今回はその中でお話した「親は深刻なのに、本人はけろっとしている」というズレについて、もう一歩踏み込んでお話しします。
勉強をしなきゃいけない時期なのに、何で勉強しないんだろう、なんで焦っていないんだろう。むしろこっちが焦ってしまう・・・その気持ち、すごくわかります。
今回はその認識のずれについて解剖したうえで、お子様との接する上でのヒントを得られる機会にしていただけるといいなと思います。
この記事の著者:
受験ペアレントアドバイザー 前島 健太郎(MAESHIMA Kentaro)
元大手予備校職員/元私立高校事務職員/現役大学職員
という、受験を取り巻く3つの現場を経験。教育現場を最前線で見てきた経験から、現場では言えない「リアル」な意見をお伝えしています。
「やっているつもり」は嘘じゃない

予備校で保護者面談を担当していた頃、生徒本人に「1日のスケジュールを実際に書き出してもらう」ということをよくやっていました。すると、興味深いことが分かります。本人は「5時間やっている」と申告していても、着手してから集中に入るまでのロスを差し引くと、実質2時間程度しか机に向かえていない、というケースが珍しくないのです。
これは決して本人が嘘をついているわけではありません。「机に向かっていた時間」と「本当に集中できていた時間」は、本人の自覚以上に差があるものです。そしてこの差こそが、保護者の方から見た「やっていないように見える」という印象の正体です。
ここで大切なのは、この事実を「もっと集中しなさい」という叱責の材料にしないことです。むしろ、集中して勉強できる時間というのは、思っている以上に限られた貴重なリソースなのだと捉え直すことが出発点になります。
本人の認識と実際の勉強時間には差があることが多い
それによって「勉強時間」への認識に齟齬が生まれて、本人はやっていると思っている。という隔たりが生まれる。
勉強をしようとしている姿勢も大事なんですけどね・・
集中の仕方は受験生の数だけある

また、集中の方法は人それぞれで、一律に「これはダメ」と決めつけるべきではない、ということです。たとえば音楽を聴きながらの勉強は、一般的には集中を妨げると言われがちですが、これも万人に当てはまるものではありません。無音でないと集中できない子もいれば、多少の雑音があった方が捗る子もいます。
大事なのは、その方法が正しいかどうかをジャッジすることではなく、お子様に合った集中できる環境を、一緒に探してあげることです。
そしてもう一つ意識していただきたいのが、たとえ実際の勉強時間が短くても、最初は「勉強したという自覚」があること自体が大切だということです。完璧な集中を最初から求める必要はありません。「今日は机に向かった」という小さな積み重ねが、やがて本当の勉強量へとつながっていきます。
こんな方法で集中できるの!?というものがある
頭ごなしにやり方を否定しない。否定せずに飲み込むことも保護者の受験勉強です。
私は音楽を聴いている方が集中できる派でした
自習室という選択肢

集中できる環境づくりという観点で、特におすすめしたいのが自習室の活用です。家だと誘惑が多く、部屋も自分の空間なので、どうしても気持ちが緩みがちです。一方、自習室では周りの受験生が黙々と勉強している姿を目の当たりにすることになります。この「他人の本気を見る」という経験が、家では得られない緊張感を生み出します。
特におすすめなのが、大手予備校の中でも、難関私大向けの講座が開講されている校舎の自習室です。そうした校舎には、レベルの高い受験生が多く集まる傾向があるため、自然と周囲の勉強姿勢のレベルも上がります。「自分ももっとやらなければ」という健全な焦りを、環境の力で作り出せるのは大きなメリットです。
自習室を利用するかどうか、どの校舎を選ぶかは、お子様の性格や志望校との相性も含めて検討していただきたいところですが、選択肢の一つとして、ぜひ知っておいていただきたい方法です。
ちなみに、大手予備校の多くは夏期講習や冬期講習で一コマだけでもとっていれば、その期間は自習室が使い放題のことが多いです。
ライバルが頑張っている姿というのが一番の起爆剤
客観的に自身を見直せるいい機会になるのが自習室での勉強です
(個人的には受験勉強は家ではなく、自習室一択だと思っています。それぞれに合った環境がありますので、あくまで「個人的には」です。)
スマホを取り上げれば解決するのか

「勉強しないならスマホを取り上げる」という家庭は、現場でも数多く見てきました。ここで正直にお伝えしておきたいのですが、それによって成績が大きく伸びたというケースは、あまり記憶にありません。
誤解しないでいただきたいのですが、スマホ制限が間違った方法だと言いたいわけではありません。実際、スマホは「勉強時間のキャパシティ」を奪っていく要因の一つでもあります。通知が来るたびに集中が途切れ、着手から集中までのロスがさらに大きくなる、という悪循環を生みやすいのも事実です。
ただ、得られる成果の大きさに対して、支払うコストも決して小さくありません。「スマホを取り上げる・厳しく制限する」という行為は、親子関係における信頼を一時的に犠牲にする側面があります。反発が強くなり、かえって親子の対話自体が減ってしまうケースも見てきました。スマホを取り上げるか取り上げないかの0か100かで検討するのが必ずしも正しいかは、よく検討する必要があります。
だからこそ、スマホ制限を「するかしないか」ではなく、「その方法で得られるものと、失うかもしれないものを天秤にかけて、ご家庭ごとに慎重に判断する」というスタンスをおすすめしたいのです。正解はご家庭の数だけあります。
スマホを取り上げることが必ずしも正解ではない
スマホを取り上げるメリットは意外と少ない。
メリット・デメリットをしっかり精査したうえで、「制限」などの折衷案も検討する
「スマホがないから、勉強するかー」にはならない。
ただ、危機感を持たせる選択肢としては有効だと思います。
親ができること
ここまで、勉強へのキャパシティの限界、集中の形の違い、自習室という環境づくり、スマホ制限のジレンマについてお話ししてきました。では、親として日々どう接すればいいのでしょうか。
答えはシンプルです。結果ではなく、過程をさりげなく認めることです。
遅くまでお疲れ様!
今日もたくさん勉強していたね!
こうした一言で十分です。特別な声かけのテクニックを駆使する必要はありません。大切なのは、問い詰めるのではなく、見ていてくれているという安心感を与えることです。この安心感が、本人のキャパシティを少しずつ広げていく土台になります。
逆に「本当にそれで足りているの?」「もっとできるはずでしょう」といった言葉は、ただでさえ限界近くまで負荷をかけている本人を、さらに追い詰めることになりかねません。
まとめ
- 「やっているつもり」は嘘ではなく、机に向かった時間と集中できた時間には差がある
- 集中の形は本人なりのものを尊重しつつ、環境づくりでサポートする
- 自習室のような選択肢も、緊張感を生む環境づくりの一つ
- スマホ制限はメリット・デメリットを天秤にかけ、家庭ごとに判断する
- 日々は結果ではなく過程をさりげなく認める
「うちの子、本当に大丈夫なんだろうか」——受験生を持つ親であれば、誰もが一度はこの不安を抱きます。ただ、本人の「やっているつもり」は嘘ではなく、机に向かった時間と、実際に集中できていた時間には、思っている以上の差があるものです。この差こそが、親から見た焦りのなさの正体です。
だからといって、詰め寄っても溝は埋まりません。集中の形は本人なりのものを尊重しつつ、自習室のような環境を選択肢として用意し、スマホとの付き合い方はメリットとデメリットを天秤にかけながらご家庭ごとに判断する。そして日々は、結果ではなく過程をさりげなく認める。
派手な解決策はありませんが、こうした小さな積み重ねが、ズレを少しずつ縮めていきます。焦っているように見えないお子様も、決してのんきに構えているわけではないのだと、まずはそこから信じてあげてください。


