「名前のある大学に入ってほしい

その気持ちは正しいです。ただ、やむなく志望校のランクを落とすときに、ただ単純に”一つ下のランクで有名な大学”を選ぶことが、実は一番もったいない選択かもしれません。元予備校スタッフ・現大学職員の前島が現場から正直に書きます。

この記事の著者:

受験ペアレントアドバイザー 前島 健太郎(MAESHIMA Kentaro)
元大手予備校職員元私立高校事務職員現役大学職員
という、受験を取り巻く3つの現場を経験。教育現場を最前線で見てきた経験から、現場では言えない「リアル」な意見をお伝えしています。

模試の結果を前にしたお母さんがこう言いました。

この子、まわりがやっているからとりあえず机には向かうんですけど、自分から動くタイプじゃなくて。志望校も正直まだふわっとしてるんです。そういう子だから、せめて名前だけでも通じる大学に入っておいてほしくて

志望校はMARCHクラス。ただ模試の結果は日東駒専がボーダーライン。

保護者の方の「名前のある大学」への気持ちは、子どもへの不信感ではなく、主体的に動けないわが子への切実な親心だと、痛いほどわかります。

個人的にも、理にかなった正しいご判断だと思います。

ただ、一つだけ待ってほしいことがあります。

この記事で一度考えるきっかけにしてもらえるとうれしいです。

この記事でわかること
  • ブランドで志望校を選ぶことの「正しさ」と「落とし穴」
  • MARCHと日東駒専の間にある、知名度より中身で選ぶべき大学という視点
  • 「聞いたことない大学」で候補から外すのはあまりにもったいない

ブランドで志望校を選ぶのは、正しいです

まず結論から言います。

学歴が助けてくれる場面は、今も多くあります。就職の書類選考、転職のときの自己紹介、初対面の印象。「○○大学出身」という一言が、信頼を勝ち得たり、最初の評価を高くつけてもらえたり。これは昔も今も変わらない現実です

「今は大学で何をするかが大事だ」とよく言われます。個人的にもそれは正しいと思っています。ただ、だからといって学歴が不要になったわけではありません。学歴はあるに越したことはない、というのが正直な感想です。

だから、ブランドのある大学を目指したいという親心は間違っていません。否定するつもりは全くありません。

ただし、その理想が成立するのは「その大学に実際に合格できるなら」という大前提があってからです。

お子さんが積極的に学外活動などに取り組むタイプではない分、有名な大学に行って、就活などで苦労しないようにしてほしい。という親心。痛いほどわかります。

有名大学を卒業すると得られるメリットはたくさんあります

ただ、やはり簡単には入れるわけではないんですね・・

「一つ下のランクで有名な大学」という選択をやめてほしい

とはいえ、前述のとおり、有名大学というのは入るのが難しいです。

難関大になればなるほど、当たり前ですが、難しいわけです。

そすると、予備校の先生などから、

志望校のレベルを少し下げましょう

なんていわれる日が来るかもしれないわけです。

ここからが本題です。

現実を見たとき、多くの保護者の方はこういう判断をします。

MARCHは難しそうだから、日東駒専で考えてみるのはどうかしら

という発想です。

この選択が、個人的に一番もったいないと感じています

理由をお伝えします。

予備校にいると、偏差値の枠組みで大学を語る癖がつきます。MARCHの次は日東駒専、その次は大東亜帝国、という序列で世界を見るようになります。

たしかに、それらに名を連ねる大学は有名大学ばかりです。

ただ、ひとつランクを落とすときに、すごくいい大学がたくさん見過ごされております

これは日東駒専から大東亜帝国にシフトする場合も、それ以外でも同じです。

ブランド名への気持ちはとても大事ですが、こういったタイミングこそ、真の志望校を探すいいタイミングなのです。

皆さまが有名大学に期待していることを、ネームバリュー以外に1つ挙げてみてください

それが就職なら、MARCHと日東駒専の間から就職に強い大学を探せばいいのです。

次で詳しく解説していきます。

ランクを落とすという選択肢を作業化しないでほしい

ランク帯の間にいる大学にきっと魅力的な大学がたくさんいます

理想の志望校を見つけるベストタイミングなんです!

「聞いたことない」で候補から外すには、もったいない大学がある

きっと、有名大学を選ぶうえで、そこを選んだ理由というのは「有名」という以外にも理由がきっとあるはずです。

それをひとつ頭に浮かべてみてください。

もし、それが就職活動だとしましょう。

具体的な例を一つ挙げます。武蔵大学です。

武蔵大学?もう既に有名ではないか。と思われた方もいるかもしれませんが、意外にも「武蔵大学?」という反応をする保護者の方は少なくありません。

特に関東圏以外では知名度がそれほど高くありません。ただこれは、知名度の問題であって、大学としての価値とは全く別の話です。

武蔵大学は「ゼミの武蔵」として知られています。1年次から4年間ゼミが必修で、1ゼミあたり13名の少人数、開講ゼミ数は約400種類。多くの大学でゼミが始まるのは3年次からで、大規模大学ではそもそもゼミに入らなくても卒業できてしまうケースもある中、この体制はかなり異質です。

そして、就職実績を見ると、就職率98%、進路納得度97%(2025年度)という数字は、知名度から想像する数字とはかなり違います。

また、数年前のデータですが、日経HRの調査「価値ある大学2022-2023 就職力ランキング」において、企業が欲しがる人材を輩出する大学の大企業ランキングで全国私立大学8位に選ばれています。

全国の私大でこの順位・・・すごすぎません???

就職において、かなり高い立ち位置を築いていることがここからわかると思います。(参考:univ-online.com/article/career/19369/)

もう一つ注目してほしいのが、キャリアセンターの手厚さです。学生1人あたりの個別相談利用回数が平均6回(2022年時点)という数字があります。これは大規模大学ではなかなか出てこない数字です。大学という学生数が何千人もいるような環境下で、アベレージでこの数字を出せているのは、とんでもないことです。

そして、なぜこの点を強調するかというと、冒頭の「主体性がない子」の話に戻るからです。

大規模大学では、自分から動かないお子さんは本当に動かないまま4年間が終わることがあります。数万人の学生の中に埋もれ、困っていても誰にも気づかれません。就職活動の窓口に自分から足を運ぶことすら、ハードルになってしまいます。

一方、小さなアクションに最大限応えてくれる環境というものがあります。キャリアセンターに一度行ったら丁寧に個別対応してくれる、ゼミで教授との距離が近いから相談しやすい、という環境です。「うちの子でもそのくらいならできるかも」と思える一歩のハードルが低い大学を選ぶ、という視点は、主体性がないお子さんを持つ保護者の方にこそ考えてほしいところです。

武蔵大学はその一例にすぎません。こういう大学が全国にあります。

もちろん就活に強い大学は他にもたくさんあります。

大学ごとに必ず違った強みをもっています。そして、その強みだけにフォーカスすると、それは有名大学に勝る最強の「強み」だったりするのです。

その強みは大学側としても、広報のために伸ばし続けていきたい分野です。全力で学生をバックアップしてくれるでしょう。

お子様にあっている真の大学を見つけてあげたい・・・!!!!

面倒見の良さはどこも主張している。だから自分の目で確かめてほしい

一つ正直にお伝えしておきます。

「面倒見が良い」「就職支援が手厚い」というのは、今やほぼすべての大学がアピールしている言葉です。各大学がそれぞれの角度・分野でこの訴求をしています。

問題は、それがお子さんに合っているかどうかです。

これは情報を見ているだけでは判断できません。オープンキャンパスに実際に足を運んで、雰囲気を肌で感じること、キャリアセンターや学生相談窓口の対応を見てくることが、結局一番の確認手段になります。

大学職員として入試広報の仕事をしていると、オープンキャンパスに親子で来て、お子さんよりも保護者の方が熱心に質問されている場面によく出会います

それは決して過干渉ではありません。情報を持った上で、お子さんと一緒に考えるための準備だと思っています。

まとめ

  1. ブランドで志望校を選ぶ発想は正しい。ただしそれが成立するのは「合格できる」という大前提があってから
  2. 現実を見たとき「一つ下のランクで有名な大学」を選ばせるのが最ももったいない選択になることがある
  3. 知名度より中身で勝負している大学があります。主体性がないお子さんほど、小さなアクションに最大限応えてくれる環境を探す視点を持ってください

志望校選びは、情報があるかないかで判断の質が大きく変わります。

塾や予備校のプロに相談することで、偏差値の序列では見えない大学の中身を知る手がかりになることも多いです。

入塾前の無料相談から、まず話を聞いてみることをおすすめします。

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